2006年03月20日

映画『エミリー・ローズ』

エミリー・ローズ デラックス・コレクターズ・エディション 僕は人に比べるとホラー映画好きな方だと思うんですが、基本的には恐がりで、こんな怖い映画見なきゃ良かったぜ!と思うくせに、つい次を見てしまうという、まぁいいお客さんなんでしょうねぇ(笑) で、今回の映画『エミリー・ローズ』ですが。エクソシズム(悪魔払い)を扱っていながら「この映画はホラーではない。実話です」が売りなんですが、いや、充分怖かったですよ…。

・あらすじ
希望に満ちた少女に突然降り掛かる災難、それは敬虔な神の信仰とはうらはらの、闇に棲む忌むべき者の存在の証明とも取れる出来事であった。
大学に進学したエミリーは、ある晩、焦げ臭い匂いを嗅いで目を覚ます。AM3:00。それが一連の出来事の発端であった。激しい幻覚と身体の痙攣、そして聞こえる不気味な囁き声…。病院に通うも科学的治療は効果を上げず、自宅療養せざるを得なくなったエミリー。彼女はこれが『悪魔憑き』現象であると確信し、ムーア神父に悪魔祓いを要請する。しかしそれが、のちに世間を騒がす裁判につながっていくのだった…。

・以下多少ネタばれがあります。[ネタばれ]は反転させてご覧下さい

このジャンルの映画で誰もが知っている偉大な先達に、ウィリアム・フリードキン監督の『エクソシスト』(1973)があります。最近では『コンスタンティン 』(2005)も悪魔憑きを扱っていますね。そのまんまだとカブってしまうためか、『エミリー・ローズ』では裁判劇とミックスして展開させているのが目新しい所でしょう。そもそもこんな事は裁判にはなじまないだろうと、キリスト教徒ならぬ身の僕などは当然思うわけですが、この映画の下敷きになった出来事は実際にドイツで起こったそうで、Anneliese Michelという女性の悪魔憑き事件を下敷きにしてこの映画は作られているそうです(女性は1976年に死亡、両親と神父が裁判で有罪に)。

主演のジェニファー・カーペンターの演技は素晴らしく、彼女の熱演で映画の説得力が増しているのは間違いないでしょう。悪魔女優として色が付かなければいいがと、いらぬ心配さえしてしまうくらいです(笑)。あと、音響もなかなか凝っていて、心霊現象が起こるときに遠くから聞こえてくる意味不明な囁き声がもう怖くてビビリ入っちゃいますね。

この映画では、悪魔憑き現象の存在自体をうんぬんしたいわけではなく、実際すべての悪魔憑きに付随する現象は、すべて合理的な説明も付けられる形にしてあります。この手の映画で良くある[第三者の前での心霊現象、例えば『空中浮遊現象』などがいっさい出てこない]のが、それを示しているでしょう。そしてエミリーの悲劇と平行して描かれる裁判劇が弁護士役のローラ・リニーの熱演と相まって、映画にメリハリを与えると同時に、現代人にとっての宗教の立ち位置を考えさせてくれると思います。

日本人の僕が考えれば、いくら拒絶されたとしても[エミリーに医療行為を続けなかった]のは正直疑問なのですが、裁判は現在でもキリスト教が強固に根付いているアメリカならではの決着を迎えます。映画の中では奇麗におさまった、と思えるのですが、個人的にはどこか論理のすり替えがあるように感じられてなりませんでした。その違和感は異教徒たる日本人の狭い考え方なのかもしれませんが…。

全体的には良く出来ていてかなり楽しめました。やっぱり怖いのでホラー好きの方、ひねった裁判劇が見たい方におすすめかも。

あ、あとちょっと難しい言葉が出てきてたので。弁護士さんが自分は不可知論者だと言っていましたが、不可知論 agnosticism とは、神は存在するかもしれないが、たぶん被創造者に知ることはできないという思想。無神論(≒汎神論 一神教から見ると仏教やヒンズー教はこっちに含まれるらしい)とは違うようです。

エミリー・ローズ The Exorcism of Emily Rose [Original Motion Picture Soundtrack] [Special Limited Edition]
小説版

エクソシスト ディレクターズカット版 エクソシスト2 エクソシスト3 エクソシスト ビギニング
エクソシスト3部作&ビギニング

posted by Bomber at 05:04| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「エミリー・ローズ」見てきました
Excerpt:  以前何かの映画での予告を見た時に、予告で「きゃー」と叫び声が上がってしまう人がいたほどの映画、エミリー・ローズを見てきました。
Weblog: よしなしごと
Tracked: 2006-03-22 02:41

エミリー・ローズ
Excerpt: 【映画的カリスマ指数】★★★★☆    鑑賞直後、悪魔の仕業に遭遇した私!?
Weblog: カリスマ映画論
Tracked: 2006-03-23 20:35
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