私が戦争映画と言うと一番に思い浮かぶのが『地獄の黙示録』です。○学生の頃親に見せてケロとせがんで連れてってもらった遠い記憶がよみがえりました。戦争といいながら敵はベトコンではなく人間性の深淵から浮かびあがるハゲ頭であるこの映画を戦意高揚映像としてフィーチャーした(所もある)のがこの映画、『ジャーヘッド』です。
・あらすじ
何かを成したくとも、現実には家にもどこにもいる場所の無いスウォフォード(ジェイク・ギレンホール)がしがらみから逃れようと志願したアメリカ海兵隊。そこで彼は人間から一個の海兵隊員になるべく激しい訓練を受ける。そして狙撃の才能を見いだされSTA(Surveillance, Target and Acquisition)、大隊の耳と目となる偵察狙撃隊員として湾岸戦争に参加する事になった。しかし送り込まれた戦地イラクで、兵士としての能力を発揮できると思っていた彼は現代の戦争の現実に直面するのだった。
・以下多少ネタばれがあります。[ネタばれ]は反転させてご覧下さい
この映画は戦争アクションを期待している人には向きません。あと派手な盛り上がりも少ないかも…。スウォフォードは兵士として殺しを経験する事を望みながら、最後まで[敵を殺す事が出来ません]でした。610億ドルの戦費、60万人もの人員を動員し向かった戦場で、彼は敵に向かって一発の銃弾も撃ちません。描写される「殺し」は訓練での誤射、味方による同士討ち(Friendly Fire)と空軍が焼き尽くしたおびただしい死体の列(俗にいう"Highway of Death"の起こった、クウェートからイラクのバスラに抜ける高速道路でのイラク軍の撤退戦の場面だと思う。日本じゃあまり触れられませんが)に出会う所だけです。異常な状態を受け入れるためには自分も異常にならざるを得ず、その中で殺しの才能を見いだされ戦場に行ったが、それを全うし殺しの実感を得る事すらさせてもらえない。だが人が人を殺さずとも人の作った高性能の機械が効率的かつ大量に人を殺していく、そんな矛盾に満ちた現代の戦争を描いた作品です。またベトナム以降の戦争映画の例に漏れず全編性的な表現に満ちていますが、(マスタベマスタベ言ってます(笑)。やっぱり圧倒的に若い男だらけの組織ってのが異常なんでしょうかっ)敵と戦う事無く戦争が終わったと聞かされ、みんなで[空に向かって銃を撃ちまくる]シーンなんて、分かりやすいくらいに比喩的ですよね?(笑)私はこの映画、面白かったと思いました。
エンドロールで流れていた、kayne Westの「Jesus Walk」がイイです。
「Jesus Walk」は収録されてないようです。





コメントありがとうございました。
私、戦争映画が基本的にあまり好きではないのですが、この映画は随所で笑わせながらも、現代のスピードアップされた戦争も描かれていて私も楽しめました。
戦争映画にはユーモアも必要ですよね。なんたって映画は娯楽なんだし。悲壮になりがちな邦画の戦争映画も、そういう観点が入ってくれば成熟してきたと言えるんじゃないかなぁと個人的には思ってます。